偽りのピアノ線

放課後の教室


窓から見える景色は雨のせいでぼやけて見える

空から一粒落ちては窓を伝って無数の線を模様みたいにつけていた


僕は自分の荷物をまとめてロッカーに放りこんだ後、窓に近づいた

遠くからだとよく分からなかったが、かなり雨が強いらしくいつもより窓は白んでいるようだ


ふと見た左端の窓に何やら絵が描いてある


指で曇った窓に絵を描くなんて懐かしいな


そんな事を思いながら近づいてみると、絵というわけでも文字というわけでもなく、ただ指でポンと触ったような『点』が無数についているだけだった




「それはね、私たちのことなのよ。」


しばらく呆気にとられていたが、突然後ろから話しかけられて不覚にも驚いてしまった

少し羞恥を覚えながら振り返るとそこには同じクラスの女子が立っていた



たしか窓際の席の…いつも外ばかり見ている…。


「その点一つ一つは私たち一人一人を表しているの。
一応席順だから…貴方はここね。」

そう言って窓に近づき一つの点を指差した


確かによく見れば点は規則正しく描いてあって、廊下側の僕はおそらくこの辺りなのだろう


とはいえ、この点と席順と僕たちがどうだというんだろう




彼女はしばらく僕の顔を見ていたがフッと笑って
なんだかよく分かっていないような顔ね、そういって視線を外した



「いいわ、じゃあ話してあげる。




偽りのピアノ線のお話を。」





続いちゃいます
(デュラとflatの小説消しました!)