「気分転換、だよ」 「…へ？」 教室の隅を見つめて色々考えていると突然小鳥遊はそう言った小鳥遊の存在すら薄れてしまっていて、驚き、間抜けな声が出た 「俺がここにいる理由。聞いたのはそっちでしょ？」彼は不思議そうな顔をして手に持っていた絵の具を…

神獣は読んで字の如く神の獣だよ、崇高な存在だ実際存在していたかなんてそれこそ神様にでも聞いてみたらどうだい 神様が存在しているかどうかは自分の心に聞いてみたらどうだい さて心中はというと相思相愛の仲である男女が双方の一致した意思により自殺す…

「あ…そ、そう。そうだよなやまてぃー優しいんもんなぁ」 悔しながら彼の笑顔に見とれてしまいほんの数秒返事をするのが遅れてしまった その間に彼はまたいつも通りの眠そうな顔に戻ってしまう 「まぁね。」 だが先生の話で何か思い出したのだろうか、幾分顔…

ん？「てかお前さ…興味ないのになんで俺の名前知って…」会話に生じた小さな矛盾に顔をしかめる。 視線が合わないなんてそんなに大きな問題じゃない、と自分を慰めながら。 その質問に彼は答える事なく「そういえばさ」とやんわり別の話題にすり替えた「ここ…

「何その絵。だっせー」「…そう」 ひとまとめに美大といっても専攻によってどれもこれもがらりと変わる描くものはもちろんだが、教室の様子やら匂いやら人格やらそれぞれに特徴があって たまに全く違う種類の作品を見に回るのはなかなか気分が良い 今日は飲…

あいつはいつも赤信号を渡った つんざくようなクラクションの音はあいつにとってはただのオーケストラでしかなくて 身体をかすめる車にわざとらしく驚いて、 大げさに笑い転げて、 くるくると舞い踊って、 俺が騒音に顔を歪めるたびにあいつは笑顔で顔を歪ま…

放課後の教室 窓から見える景色は雨のせいでぼやけて見える空から一粒落ちては窓を伝って無数の線を模様みたいにつけていた 僕は自分の荷物をまとめてロッカーに放りこんだ後、窓に近づいた遠くからだとよく分からなかったが、かなり雨が強いらしくいつもよ…

あんてんってあんこの天ぷらだろうか私はそんな事を考えるような人だった そもそもなぜ『あんてん』という言葉について考えたのかというと、 私の学校机一面に『あんてん』と書かれていたからだそりゃぁ見たときはすごく驚いたが、なにしろここは「ユメのセ…

おかしなユメをみたんだ 全てがなぜか絵コンテのような世界 身体は緑の線で描かれていて髪の毛はピンクの線でかかれていてゆらゆら風に合わせて揺れている 色はその線の二色だけで、ほかはモヤモヤと何色かも分からない謎の色でそこが学校の廊下だと言う事を…

この澄んだ空の下 君は何を見て何を思うんだろう… ☆「起立 礼 着席」そう日直の声が聞こえてガタガタとそれぞれに椅子に座る音がする 桜田 翔琉は担任の出席確認の声を横に流しながらふと窓の外に目をやった晴天の青空は校庭の砂をキラキラときらめかせて遅…

人は欲の中で生まれ欲の中で死んでいく あの子のように可愛くなりたいあの子のようにかっこよくなりたいあの子のように頭がよくなりたいあの子のように絵が上手くなりたい あの子のようにあの子のように。 それは誰しもが思う事誰しもが欲しがるもの。 自分…

『愛してる』 何て残酷な言葉を突き付けられたんだろう のうのうと生きていた数秒前までの自分がひどく懐かしいような 憎たらしいような。 死して償えばいいというのか、愛し返せとでもいうのか この空っぽの脳味噌と空っぽの心で 何をすればいいと。 鋭いナ…

人を愛せば人を嫌い 人を嫌えば人を愛す きっとこれは神様が決めた罰ゲーム そして神様が決めた救いの手。 愛してくれよそして嫌ってくれよ そうすればずっと一方的に愛し続ける事ができるから。

別れの日 女子生徒が告白の話で盛り上がる 誰かが言った「私…○○君に告白しようと思うの。」 私は言った「勇気をもって！当たる前から砕けちゃ何も始まらないからね。」 それは誰かに言った言葉なのか それとも自分に向けた言葉だったのか。 告白するのはなか…

小雨だった空放課後にはどしゃぶりになっていた白く霞んだ空にひとつため息をついて 帰ったら何を飲もうなんて他愛もない事を考える。 しばらく歩いていると数歩先に可愛らしい赤いチェックの傘が見えた今まで霞んでいたのにその周りだけバラ色のように見え…

好きと嫌いは紙一重だというのなら 「好き」になる瞬間って何だろう「嫌い」になる瞬間って何だろう 「好き」が「嫌い」になる瞬間ってどこだろう「嫌い」が「好き」になる瞬間ってどこだろう それはきっと自分自身に酔いしれた時自分勝手に考えた時自己嫌悪…

今日は天気が良いです雲一つない真っ青な空ですとてもキレイです 今日は天気が悪いです空が見えないくらい厚い雲ですザアザアと神様の涙がこぼれています少し悲しくなります そちらはどうですか もしかしてあの涙は 貴方の涙ですか